岐阜地方裁判所 事件番号不詳 判決
本籍並住居
岐阜県武儀郡美濃町一九二四番地
会社員
安田銀一
明治三十二年九月二十五日生
本籍
岐阜県武儀郡東武芸村谷口二六五四番地
住居
同県 同郡 美濃町二四七番地
会社員
舟戸賢一
明治二十四年十一月九日生
右両名に対する所得税法違反被告事件について当裁判所は副検事羽田龜喜知関與の上審理をなし次の通りに判決する。
主文
被告人安田銀一を懲役四月及罰金五十万円に
同 舟戸賢一を懲役四月及罰金五十五万円に
処する。
右各罰金を完納することができないときは金千円を一日に換算した期間当該被告人を労役場に留置する。但し本裁判確定の日から二年間右各懲役刑の執行を猶予する。
訴訟費用はこれを二分し各その一を被告人両名の負担とする。
理由
(罪となるべき事実)
被告人両名はいずれも岐阜県武儀郡美濃町所在大福製紙株式会社の取締役であるが昭和二十三年一月三十一日までに所轄税務署に対し昭和二十二年分の所得金額及びその所得金額につき所定の計算をした所得税金の確定申告をなすに当り
第一、被告人安田銀一は、昭和二十二年中の所得金額が金五十二万五千八百七円であつたにもかかわらずこれを金五万五千三百七十円と確定申告をなし以てこれが差額四十七万四百三十七円五十銭に対する所得税三十五万六千五百四十六円三十銭を免れ
第二、被告人舟戸賢一は同年中の所得金額が金五十四万五千八百八十六円五十銭であつたにもかかわらずこれを金四万九千五百五十七円と確定申告をなし以てこれが差額四十九万六千三百二十九円五十銭に対する所得税三十七万五千八百九十七円六十六銭を免れ
たものである。
(証拠)
一、被告人安田銀一の東海銀行当座勘定入金帳
一、同人に対する東海銀行関支店当座小切手帳
一、被告人舟戸に対する東海銀行岐阜支店自由普通預金通帳
一、同人に対する十六銀行美濃町支店自由預金普通貯金通帳
一、松田久雄名義十六銀行美濃町支店普通預金入金帳
一、被告人安田の手控
一、送達簿
一、昭和二十二年度被告人舟戸の日記
一、被告人両名の予定申告書
一、被告人安田の確定申告書同舟戸の確定申告書
一、名古屋財務局告発書
一、大蔵事務官北村弘に対する被告人等の聽取書
一、検事に対する被告人両名の各聽取書
一、上申告
一、昭和二十四年四月九日附検証調書及証人田中悟一の尋問調書
一、同年四月二十七日附検証調書及証人山本芳知の尋問調書
一、同年四月二十八日附検証調書及証人白男川虎夫の尋問調書
一、証人石田茂同森久同井上十二同北村弘の各当公廷に於ける供述
一、被告人両名の当公廷に於ける供述
(法令の適用)
被告人両名の判示行為は、それぞれ所得税法第六十九條第一項第二十六條第一項第一号に該当するから同法第六十九條第三項によりいずれも所定の懲役刑と罰金刑を併科し各その範囲内で被告人安田銀一を懲役四月及び罰金五十万円に被告人舟戸賢一を懲役四月罰金五十五万円に処し右各罰金不完納の場合は刑法第十八條に従い金千円を各一日に換算した期間当該被告人を労役場に留置するものとしなお同法第二十五條に則り犯情懲役刑の執行を猶予するを相当と認め本裁判確定の日から二年間右各懲役刑の執行を猶予し訴訟費用は刑事訴訟法第百八十一條第一項によりこれを二分し被告人両名に各その一を負担せしめるものとする。
よつて主文の通りに判決する。
(判事 池田章)